春風に さそわれて・・

今年もまた、我が家の庭と その向こうの小学校の体育館裏の

桜が、競うように咲く季節になった・・・春がきた。

我が家の桜は 今8分咲き・・。

 

今年の小学校の入学式は4月7日らしいが

いつもの年より 少し早く咲き始めた今年の桜花が

コロナ禍とはいえ 新一年生を迎える入学式の日まで

散らずに残っていてくれるかどうか・・。

 

新一年生を迎える そんな時期に、我が家では つれあいが

毎日のように水をやり、暖かい場所に移動させながら

まさに 子供を育てるように手間を掛けて育てているポットに

植えていたタネが 芽を出し始めた。

 

「かぼちゃ」「トマト」「中玉トマト」「ナスビ」「長ネギ」

「ブロッコリー」「キュウリ」などなど、想像以上に元気いい

可愛い芽が出た。

これらの野菜は いつもの年なら、ホームセンターで苗を買い

それを畑に植えるという簡単な方法を取っていたのだが

今年は つれあいが、野菜作りに熱心に取り組んでおり

タネから育てる方法を選び、だから六兵衛は そのつれあいの

意気込みに、ただ引きずられて ついて行くだけなのである。

 

それらポットに蒔いた数種類のタネの中で

ただ一種類「ゴーヤ」だけが、いまだに芽が出ない。

気になるからネットで調べてみると、どうやらタネを蒔いた

時期が少し早すぎたのかもしれない・・。

南国の野菜だもんね・・。

 

電子書籍なるもの・・

この頃、電子書籍なる物の事を あれこれと耳にする・・。

現在の六兵衛の場合は、紙の文庫本の しかも値段が安くなる

中古本ばかりを、中古本専門のネット通販で購入している。

しかし これからの読書は電子書籍やで・・と、なんとなく

世間から、そんな声が聞こえて来たり来なかったり・・。

だから そんな声に多少は影響されたか、電子書籍での読書に

関する諸々を調べてみた。

 

六兵衛が現在持っている「Mac PC」や「iPad」、「スマホ」

でも電子書籍を読む事が出来るらしいが、「Mac」や「iPad」

では片手に持ってソファーに座ったり寝転がって読むには

いささか重たい感じがするし、「スマホ」では小さすぎて

読みにくそうだ。

そこで 電子書籍専用の「タブレット」なら 軽くて扱いやすく

値段も一万円前後から あるらしい。

 

電子書籍を読むには「タブレット」を購入して使うとして

次に気になるのは、電子書籍化された小説群の中に

六兵衛が好むタイプの小説があるかどうかという事と

それら電子書籍の購入金額も、大きな問題である。

この頃では、割と多くの出版物が電子書籍化されているようで

例えば六兵衛の大好きな文庫本「風の市兵衛」シリーズも

電子書籍化されている。

 

電子書籍の中には、「青空文庫」などのように著作権が消滅

している古い小説などを、無料で読めるサイトもあるようだし

各ネット通販の本屋さんなどでは、サービス期間中には

無料になったり割引される書籍なども あるらしいが

期間や種類に限りがあって、あまり期待は出来そうにない。

 

もう一度 市兵衛さんに登場を願って 例えていうと

2010年3月の10年も前に発売されている『風の市兵衛 』

第1巻を購入する場合、Amazonでの紙の本の値段は

10年が過ぎた今でも新品としての値段だから¥681円。

 

一方 電子書籍の値段を同じAmazonで見ると¥647円と

10年前に出版されている市兵衛さんだけど

電子書籍では わずか¥34円しか安くなってないようだ。

どうやら電子書籍には中古という発想は無いらしい・・。

 

それに比べると、中古本ネット通販の「BOOK-OFF」での

『風の市兵衛 』第1巻の値段に¥200円の値が付いている

中古本があった。

紙の本は、古くなると どうしても汚れたり破れたりする。

しかし、安い金額で読めるのなら 余程悪くなってなければ

古さは そこそこ我慢 出来る。

その上、中古本として購入した紙の本は、読み終わった後

再度 古本屋に持参すれば、もちろん値段の付かない本も

あったりするが、1円・10円・30円と それなりの値段で

買ってくれたりする。

蛇足だが 六兵衛の経験では、ネットの「中古買取り」を利用

するより 直に古本屋に持参した方が、幾らかは高く買って

くれるような気がする・・。

 

そして もう一つ、電子書籍における読書方法があるらしい。

それは「定額の金額で本が読み放題」というサイトの会員に

なる方法だ。

例えばAmazonの『Kindle Unlimited』は、月額980円で

200万冊以上の本が 読み放題だという。

六兵衛の場合の これまでの中古本通販で使う月々の購入金額は

2000円前後だから、月額980円で好きなだけ読めなら

ずっと『Kindle Unlimited』の方が安上がりということになる。

ところが「200万冊が読み放題」と謳ってはいるが

どんな小説が読めるのか・・が、大きな問題である。

 

歳を取るにつれて 段々と了見が狭くなっている六兵衛の

読書欲をそそる小説が有るかどうか・・と調べたけれど

どうやら そんな小説は極端に少ないらしい。

第一、六兵衛の大好きな市兵衛さんの小説は電子書籍としては

あっても、『Kindle Unlimited』では読めないようだ・・。

どうやら、新刊や人気の小説などは『Kindle Unlimited』の

200万冊の中には入っていないらしい。

 

そんな こんな、どうやら 現時点での電子書籍での読書などは

まだまだ六兵衛には向かない読書方法・・という事らしい。

 

ひろちゃん農園

『ひろちゃん農園のひろちゃんです。』・・の挨拶で始まる

You Tube 番組がある。

「ひろちゃん農園」

 

”ひろちゃん” という76歳になるご婦人が

これまでの経験と、驚くほどの研究熱心さで培ってきた

様々な農作物の栽培に関するノウハウを

親しみの湧く土佐弁で教えてくれるYou Tube番組だ。

 

我が つれあいが、この『ひろちゃん農園』の大ファンで

我が家の畑で作る農作物栽培での参考にさせてもらっている。

 

確かな知識もなく、適当で大雑把な栽培方法の六兵衛に対して

「You Tube」の『ひろちゃん農園』などで得た貴重な知識で

日頃からコツコツと 丁寧に手間を掛けて農作物の栽培を

進めようとする つれあいとの間に、意見のズレがあったり

するのだが、そんな場合は 確かな根拠さえないのに

面倒くさがりや故に、大雑把な栽培方法を強行しようとする

六兵衛の方が、当然 引かざるを得ず

結果、我が家の畑の ほとんどの作物作りは

つれあいのプロデュースで行われていて

六兵衛はアシスタントディレクター・・と

そんな役回りが 自然の流れになっている。

 

東側の竹林

昨年の秋に始まった裏の空地を開墾して畑にするための作業の

あらましや、その後の この春までの「作付け」作業の事々は

当ブログに執拗に書いてきた。

 

そんな裏の畑の様子が 少し変わってきて、正確には畑から見える

景色変わったと云うべきだろう。

下の写真は昨秋に、六兵衛とつれあいの二人で開墾を始めた頃の

裏の畑の写真で、畑の東側には 他所の土地だが雑木が混じった

竹林が 鬱蒼と茂っていた。

 

その他所の土地の、竹や木々に覆われた雑木林の伐採作業が

今年に入って進められている。

春になって 殆どの伐採作業は終わった様子だが

しかし数本の木々が いまだに残っていたり、切り倒した竹や

木々の処分が なされないまま残っている状態でもある。

 

それでも畑から竹林があった東側を望めば、広々として

確かに開放感は感じられるようになったが、その東側には

府道の上り坂が走っており、トラックなどが走ると騒音が

直接に届くようになり、うるさく感じられるし

歩道を通る歩行者が、農作業をしている六兵衛たちを見ながら

歩いていたりして、ささいな事だとはいえ そんな世間との

関わりが、何となく煩わしく感じる六兵衛でもある。

 

荒れ放題に茂っていた竹林が、あったらあったで鬱陶しく思い

無くなれば 無くなったで、世間との境界が消えてしまい

また これも鬱陶しい・・。

相変わらず わがままな六兵衛である・・。

 

暖かく強い日差しが・・

今日は20度を超すほどの暖かい日差しが 強く降り注ぐ。

昨秋の開墾から始まった裏の畑の、その周りに植えた実のなる

木々も、春の日差しを受けて、それぞれに新芽が出始めた。

「スモモ」「キウイフルーツ」「ブルーベリー」「いちじく」

「藤」などなど・・。

表の畑から移植した「スモモ」と新たに購入した苗木の2本の

「スモモ」は、どちらも もう 花が咲き始めた。

 

昨秋 園芸店で購入して植えた「キウイフルーツ」の雄木と雌木だが

雌木は蕾も膨らみはじめているのに比べ、雄木には蕾の形さえ まだ

みえない・・。

 

数本の苗木を植えた「ブルーベリー」は、冬には全ての葉を落とし

春が近づくにつれて 新芽が芽吹き、幼い葉が出始めている。

 

数年前に サンタクララに暮らす次女とアッくんが

つれあいの誕生日のお祝いにと贈ってくれた「藤の木」を

昨秋 裏の畑に植え変えた。

その「藤」が 今 大きな蕾を膨らませている。

そのうち、ネットで購入して組み立てた「棚」に枝を伸ばして

休憩用に置いた椅子に休む六兵衛やつれあいに日陰を作って

夏の暑い日差しから守ってくれるはずである。

 

「いちじく」の苗木も、園芸店で購入し 昨秋に植えていたのだが

春になっても ただの棒のままで、芽らしい芽も出る気配がない。

はて さて・・。

 

新バージョンの後遺症・・その後

「macOS」のバージョン「 Catalina」の後継として

新しいバージョン「macOS Big Sur」が、昨秋の11月に

アップされている。

 

今年2月7日の当ブログ日記『新バージョン・・』と

2日後の『バージョンアップアップの後遺症・・』に

その時の六兵衛の心境や慌てぶりなどを書いた・・。

『パソコン未熟者の六兵衛としては、新バージョンにする事で

使い勝手の違いや戸惑いなど、以前にも いささか手間取った

経緯があり、簡単には新バージョンにアップしないつもりだった

のだが、いつまでもDOCKのシステム環境設定の歯車のマークに

さも バージョンアップを催促するがごとく付いたままの状態

目障りだった。

それでも2ヶ月間ほどは、が付いたまま辛抱したのだが

結局 我慢が出来なくなり、新バージョンの「macOS Big Sur」

アップをした・・』と、これが2月に「macOS Big Sur」

バージョンをアップした主な経緯だった。

 

結局 新バージョンアップ後には、有料や無料の それぞれの

アプリの動作などに、いささかの変化は あったりしたが

さほど大きな問題にもならず、何とか無事に収まってくれた

・・と思っていた。

 

ところが 先日、EPSONの「インクジェット プリンター」を

使い、ちょっとしたメモの印刷をしようとしたら

その「プリンター」が動かないのだ・・。

考えてみれば、新バージョンアップ後の

初めてのプリンター使用になる。

その時すぐに六兵衛の意識は、動かないプリンターと新バージョン

との関連に思いが至らず、原因は何かを あれこれと考えりした。

もしかしたら、プリンターが 古くなって壊れてしまったのかも

しれない・・などとも考えて、新しいプリンターをネットで

探してみたりもしていたのだが・・そこで フト!思い出した。

先日 パソコンを新バージョンにアップした事からくる不具合では

ないか・・ということを。

 

その事に思いが至り、プリンターが動かない原因は

現在のプリンターと、バージョンアップをした「MacBook Air」

との絡みの疑いが感じられるようになり、EPSONのサイトへ行き

新バージョン「macOS Big Sur」との関連を調べてみた。

 

そんな作業は、パソコン未熟者の六兵衛には本来 不慣れな作業で

あれやこれや うろうろと「EPSON」内のページを探すうちに

「ドライバー・ソフトウェアーダウンロード」なるページに

たまたま、ホンマに たまたま 辿り着く事が出来た。

【ダウンロードファイルについて】

以下の機種の共通ドライバーパッケージです。

EP-905/EP-905A・EP-904F/EP-904A・EP-805Aシリーズ。

変更点:macOS Big Sur(Mac OS 11.0)に対応しました。

・・とある。

「ダウンロード画面」からダウンロードを行った。

 

相変わらず六兵衛のすることは、理屈など わからないままに 

あっちゃこっちゃと うろうろ彷徨いながら

それでも 何とか彼んとか、我が家のプリンターが新バージョンに

対応できるようになって、無事 必要な印刷をする事が出来た。

 

「Apple 社」としては、売らんかなの大きな目的などがあり

毎年のように新バージョンをアップされている。

確かに性能は良くなり、魅力的なパソコンになるのだろうが

六兵衛が如きパソコン未熟者にとっては、せめて3,4年くらいは

パソコン操作が変わらないで使える方が扱いやすいと思うのだが。

 

5つ目の畝

昨年の秋、裏に畑を作るために 六兵衛と つれあいの二人で

力を合わせて開墾し、4つの畝の畑を作った。

えんどう豆や玉ねぎ、ニンニクや小松菜、ほうれん草やレタス

等々の野菜を植え、寒さよけの為の寒冷紗や温室用のビニール

を掛け、冬から春にかけて育ててきた。

それらの野菜のほとんどは、2月の終わりあたりから徐々に収穫し

毎日のように 六兵衛と つれあいの腹に納まっていった。

 

季節も3月の半ばになり、春の野菜のシーズンの始まりである。

昨秋 開墾した裏の畑は、4つの畝で十分だと思っていたのだが

工夫をすれば もう一つ畝が出来そうな・・という事になり

この3月に入って、5つ目の畝を作った。

 

その畝作りをしていて、疲れたから 一服していたとき

何処からか鳥が、畑に飛んで来た。

雀より やや大きく ちょっと派手目の、六兵衛には名前も知らぬ

鳥である。

土を掘り起こしているものだから、土中から出てきた虫などを

食べに飛んで来たのかもしれない。

 

飛んで来た時は、開墾用のスコップの「握り部」に とまったので

急いで写真を写そうとポケットからiPhoneを取り出そうとしたが

相変わらず そそっかしい六兵衛だから、ウロウロしている間に

飛び立ってしまったが、それでも 再び えんどう豆の支柱の竹先に

とまってくれて、やっと写す事が出来た・・。

 

新しく作り終えた5つ目の畝には、早速「じゃがいも」の苗芋を

植えた。

 

何気に東の空お見ると、気球が浮かんでいるのに気がついた。

あの気球 何やろ?

宣伝用のアドバルーンでもなさそうやし、何かの観測用の気球なら

下に観測用器具が ぶら下がっているはずやろうに・・。

例えば こんな感じで・・。

さほど強い風ではなかったが、わずかの間に東の彼方へ

飛んで行ったみたいで・・そのうち 見えなくなった。

 

 

表の畑に植える予定のキュウリやトマトナスやゴーヤなどのタネは

春とはいえ いささか まだ寒いものだから、家の中で

湿らせた台所用 紙ナプキンに浸して、芽が出るのを待っている。

 

また 読みたくなった・・

六兵衛が30歳代の頃には、時々 推理小説などの本を読む事は

あったが、今のように毎日 文庫本を読む習慣になったのは

六兵衛が60歳くらいの頃だったろうか・・

そのキッカケは 何を思ったか、つれあいが 買ってきて勧めて

くれた荻原浩さんの『神様からひと言』という文庫本だった。

 

その文庫本により、読書の楽しみを 改めて知り

今では 詳しい事は もう忘れてしまっているが

小説を読むなら 藤沢さんの時代小説を まず読みたいと

多分 思ったのだと思う。

テレビなどで見た記憶があった藤沢さんの「獄医・立花登手控え」

「三屋清左衛門残日録」などの小説から始まり「用心棒日月抄」

「彫り師伊之助捕物覚え」など、数冊ずつをネットで購入して

読んでいった。

そして 藤沢さんには、エッセイ集が数冊 出版されているよう

だが、六兵衛はエッセイには さほど興味がないものだから

エッセイ集 以外の藤沢さんの60冊ほどの文庫本の全部を

順次 読もうと決めた。

 

ただ、一気に全部の藤沢さんの文庫本を読んでしまうと

藤沢さんは すでに亡く、新たな小説が出版されるわけもなく

だから 残った5・6冊を、購入したままで

読まずに残しておいた。

 

そうして残していた文庫本は、その後の何年かの間に1冊

1冊と読んでいき、未読の最後の文庫本は1冊だけになっていた

 

残った最後の1冊は『ふるさとへ廻る六部は』という文庫本で

最後の1冊なのだが、それでも読もうと決め手に取ったら

エッセイ集であった。

あちゃ〜エッセイ集か・・と思ったのだが、最後の最後に残った

藤沢さんの文庫本だから、心を込めて読もうと思った。

 

藤沢さんの子供の頃の事や故郷の話、若い頃に病気で入院

していた状況の話、中・老年に差し掛かった作家生活の事々など

藤沢さんの その時々の想いを綴られたエッセイであった。

その中に「ある思い出」というエッセイがあった。

藤沢さんと同郷の山形県鶴岡市出身の山本甚作さんという

画家が描いた「鶴岡天神祭」という絵が掲載されていた雑誌を

藤沢さんが見て、藤沢さんが まだ子供の頃の遠い昔の「天神祭」の

日に母親と出かけ、道に迷った思い出話を書かれたエッセイを読み

その山本甚作という六兵衛には初めて聞く画家の描いた絵を

見てみたいと思い 、iPadで検索してみた。

 

山本甚作さんは、山形新聞に連載していた藤沢さんの

『蝉しぐれ』の挿絵を描かれていた人だという。

続けてネットを調べていくと、山形新聞に連載されていた

『蝉しぐれ』の挿絵が数枚 出てきた。

そんな挿絵の中に、主人公 牧文四郎が まだ元服をする前の

16歳の頃、父親が御世継ぎ騒動に巻き込まれ切腹をした。

父親の亡骸を文四郎 一人、荷車で城へ引き取りに行った帰り道

周りの人々の嘲りの笑いの中、父親を載せて心も荷車も重く

ヘトヘトになりながら登り坂を引き上げようとする文四郎に

幼馴染の ふくが現れて、一緒に 荷車を引く手助けをしてくれた。

 

その場面の挿絵を見て、もう一度『蝉しぐれ』を読みたい要求が

ふつふつと湧いてきて、再読用の本棚から『蝉しぐれ』を取り出し

六兵衛は 今・・読んでいる。

 

何だ これは!

夕食のあとの寝るまでの間、MacPCと戯れようと電源を入れた。

すると いきなり目に入ってきたのは、縦縞の線がいっぱいに

広がる画面だった。

『 何だ ! これは?』

『 こ、故障か・・?』

突然の縦じま画面の出現で、じっくり考える余裕もなく

いささか慌てていたものだから、「何かあったら とりあえず

再起動を試してみる・・」と思い込んでいる六兵衛は

まず再起動を行った。

すると、六兵衛を慌てさせた縦じま画面が嘘のように消え

若い頃の つれあいが、玄関のドアを開けて笑顔で六兵衛を

迎えてくれている写真の、いつものディスクトップ画面が

現れたのだ。

 

 

一応、縦じま現象は直ったものの、その原因は 何だったのか

・・と考える。

突然の出来事だった・・から、六兵衛は いささか慌てていて

その時の「縦じま画面のスクリーンショット」さえ残す事も

後になって気付いたが 時すでに遅しで、だから 説明のために

それらしい写真を検索サイトで探して掲載させてもらった。

 

そもそも、縦じま画面が現れた原因は何だったのか・・

もちろん六兵衛ごときには 全く分からない。

あとになって 縦じま現象が起きる原因をネットで調べたが

「NVRAMをリセットする」とか「グラフィック故障」とか

やっぱり 六兵衛ごときには、難しくて よくわからず

どうしようもない一瞬の出来事だった。

 

気だるい・・

今日も今日とて、スマホに保存している昔の古い流行歌を

イヤホンで聴きながら、いつものコースを散歩する・・。

70半ばの歳になった 今日まで、それなりに長く生きて来た

とはいえ、人見知りの根性は治らず いつまでも出不精の

六兵衛ゆえに、狭い世間しか知らない・・。

そんな六兵衛が ブログで語れる事といえば

あいも変わらず同じ事ばかりを繰り返すことになって

今日の日記も、いつも書いている昔の流行歌の事になる。

 

散歩をしながら聴く スマホから流れる古い流行歌の中に

岡 晴夫さんの『東京の花売り娘』という古い歌がある。

蛇足だが・・この歌が誕生したのは、六兵衛が生まれた

同年同月だという・・。

東京の花売り娘

佐々詩生:作詞 上原げんと:作曲 岡 晴夫:歌

1)

青い目をふく 柳の辻に

花を招しませ 招しませ花を

どこか淋しい 愁いをふくむ

瞳いじらし あのえくぼ

あゝ 東京の 花売り娘

2)

夢を見るよに 花かご抱いて

花を招しませ 招しませ花を

小首かしげりゃ 広重えがく

月もあらたな 春の宵

あゝ 東京の 花売り娘

3)

ジャズが流れる ホールの灯かげ

花を招しませ 招しませ花を

粋なジャンパー アメリカ兵の

影を追うよな 甘い風

あゝ 東京の 花売り娘

 

 

そして  後年になって、この「東京の花売り娘」の歌

ちあきなおみ さんが、カバー曲として歌っている。

東京の花売り娘(ちあきなおみ歌)

 

六兵衛のスマホには、岡 晴夫さんと ちあきなおみ さんが歌う

「東京の花売り娘」の2曲が 続けて保存されている。

スマホから続けて流れる同じ歌の2曲を

ついつい比べて聴いてしまう・・。

 

ちあきなおみさんは、どんな曲でも聴かせてくれる歌手である。

日本で一番の歌手だと、六兵衛は思っている。

例えば、『🎵 つれて逃げてよ・・』で始まる細川たかしさんの

『矢切の渡し』を、のちに ちあきさんがカバー曲として歌って

いるが、ただ 喉が自慢ゆえか 声を張り上げて歌うだけの

細川さんの歌に比べ、カバーをした ちあきさんの歌の方が

逃げざるを得なかった二人の男女の想いや

その先の不安などが表現されていて、聴く者を泣かせる。

ちあきさんは 数多くのカバー曲を歌っておられるが

どの歌でも、ちあきさんの方が オリジナルの歌い手より

聴かせる・・そんな印象が強い。

 

しかし、ちあきなおみさんが歌う「東京の花売り娘」に関しては

編曲がスローテンポにアレンジされた所為か、歌う表現の所為か

”気だるい”ような、”悶える”ような そんな歌い方に感じられて

なんとなく この状況には似合わないような気がする

六兵衛なのである。

この歌は、終戦直後の貧しく厳しい暮らしの中で

生きていくために、健気で明るく振る舞いながら街角に立ち

花を売る若い娘さんの想いが、ちあきさんの歌の表現より

岡晴夫さんが歌われている歌の方が、聴く六兵衛の胸には

すんなりと 落ちてくるのだが・・。