毎朝の散歩道の途中に、何処かの会社の資材置き場がある。
その仮囲い鋼板の壁面の根本あたりから、「ツル科の草」が
頼りなげに ひょろひょろと伸びているのを、以前から
気付いていた。
「ツル科の草」にとって、特に支えになる物もない仮囲い鋼板
だけの、こんな条件の悪いところでも枝を伸ばすとは
その「ツル科の草」の生命力はすごい・・と
見る度に思っていた。
先日、その「ツル科の草」の側を通ったら、強い風にでも煽られ
たのか、根本から折れて アスファルトの道端に倒れていた。
その倒されていた「ツル科の草」をよく見ると
なんと毛虫らしきモノが3匹も蠢いている・・。
鋼板とアスファルトと、その隙間の わずかな土しかない
こんな条件の悪いところでも芽生えようとする ”草”の生命力は
すごいが、こんな場所に生えている草にでも取り憑いて
生きようとする、この3匹の毛虫の無鉄砲さにも驚くのだが
それが今、「蝶」か「蛾」になる前の、まだ飛び去る事も
出来ない毛虫の段階の3匹が、生きる支えであったろう
「ツル科の草」が、倒れてしまった・・のだ。
「ツル科の草」が倒れた原因は たぶん、8月9日に九州の西の
東シナ海を通過し、朝鮮半島に上陸した台風6号の強風の影響
ではなかったろうか。
「その草」が倒れ、3匹の毛虫が蠢いていたのを見つけたのは
台風の翌日の8月10日だったから(最初に掲載した写真)。
さて この3匹の毛虫たち、どうする気・・?。
頼りにしていたであろう「ツル科の草」が、倒れて枯れて
しまったからといっても、近くに 移り変われるような草など
一切 ない。
毛虫のままでは飛んでも行けない・・。
このままでは いずれ、歩く人やバイク・車などに潰されて
しまいそうな状況である。
そんな毛虫たちのピンチに気付いても、六兵衛は腰が引ける。
悪いが、決して六兵衛を当てには するな・・。
毛虫など見るのさえ嫌な六兵衛だから、力になれる訳がない。
次の日の8月11日に そこを通ると「ツル科の草」は
葉もほとんど枯れ落ちて、当然 3匹の毛虫の姿もなかった。
そして、最初の写真を写した日から5日目の15日に
台風7号が近畿地方を通過し 日本海に抜けた。
下の写真は8月17日(台風7号が近畿地方を横断して2日後
倒れた草を見つけてから7日目)の散歩時に、倒れて枯れたと
思っていた”その草”が、台風7号で降った雨の所為か・・緑色の
芽のような、蕾のような・・再生の息吹を感じさせていたのだ。
ちなみに、この「ツル科の草」の名前を「Google画像検索」で
調べてみた。
「ノブドウ」か「ヤブカラシ」か・・
どうやら 葉の形からすると「ノブドウ」かもしれない。
ついでに その「ノブドウ」に取り憑いていて、今は行方不明の
3匹の毛虫の名前も調べてみた。
毛虫の写真を「Google画像検索」に入れると、毛虫の画像ばかりが
表示される。
気持ち悪いが、『せめてお名前だけでも・・』と調べてみたが
「スカシバというスズメ蛾の幼虫」のようでもあり
「セスジスズメ蛾の幼虫」のようでもある。
ま、六兵衛には どちらでも良いわけで、気持ちの悪い毛虫の
画像から 早々にパソコンをスリープさせた。
後日・・
散歩で その道を通る度に、倒れた「ノブドウ」の様子を見る。
少しづつ緑の葉を増やし、どうやら完全に息を吹き返した様子
なのだが、しかし このままでは この場所に「ノブドウ」の支えは
なく、果して 立ち上がるのさえ 難しいかもしれないのだが・・。