『次郎物語』・・読み終わる

ここ1ヶ月余り、寝る前の わずかな時間だが

ベッド脇の椅子に座って、下村湖人の小説『次郎物語』全5部を

読んできた。


以前に遊びで作った「マンガ絵」が、
パソコンの隅っこから出て来たので
懐かしシリーズで掲載する。

 

つれあいが 本棚の奥から出してきてくれた『次郎物語』の

文庫本を、六兵衛が改めて読み始めた経緯は

当ブログの2010年6月28日の日記『次郎物語』に

書いている。

https://arukuneru.com/2020/06/28/jiro-story/

 

50数年前の その頃の六兵衛は、小説を読む習慣など

ほとんど なく、読書といえば漫画ばかり・・という軽薄さで

『次郎物語』を勧めてくれた当時の つれあいとは

もちろん まだ結婚する前の、しかし ちょっと気になる女友達

だったから、どこか彼女に対して格好付ける計算もあったのだろう

そんな たわいもない動機で読み始めた『次郎物語』だった。

下村湖人

 

70歳を過ぎた今の六兵衛が、名作と言われる『次郎物語』を

読み返して思う事は、次郎が中学生になった頃からの物語の

内容が、どうにもこうにも小難しくて、理屈っぽいのだ。

そのうえ、文庫本の文字が 半端なく小さかったのも

読みづらかった原因の一つでもあった。

 

少年の時代を過ぎ 青年となった次郎が、周りの人々から様々な

影響も受け 反発もしながら、成長していく物語なのであろうから

青年・次郎にとって多少の困難など、当然あってしかるべきだが

それにしても次郎の明日に、わずかでも 希望のようなものが

感じられていたなら、特に第4部から 最後の第5部までの

人間としての成長と心の自由を願う次郎たちの考えや行動は

戦争へ突き進もうとする軍国主義的時代背景のなかで

その国家権力からの圧力に、不自由を強いられるようになる。

 

『次郎物語』は、出版されている最後の第5部 以降

第6部、第7部へと続けていく予定だったようだが

作者・下村湖人の死によって

打ちひしがれて自己嫌悪に落ち入った暗いイメージの次郎が

明日への希望も見出せず中途半端な状態のまま

物語は終わってしまっている。


孫たちが まだ小さかった頃に 遊びで作った「マンガ絵」が
パソコンの隅っこから出て来たので、懐かしシリーズで掲載する。

 

それにしても、それにしても・・

50数年ぶりの『次郎物語』の再読だったわけだが

「松の木の運命・・」あたりの話しの内容 以外

ほとんど すべての内容を、忘れてしまっていた六兵衛である。

今も昔も 六兵衛なんて、まぁ こんなもんだゼィ・・。