「おばあさんの畑」の今日

芥川に架かる「大蔵司橋」から、北へ堤道を上って行くと

「塚脇橋」に行き着く。

その 少し手前の堤道沿いに 小さな畑があって

六兵衛が芥川堤道を歩き始めたころから

小柄で高齢の おばあさんが、一人で その畑を

耕しているのを、時々 見かけた。

若いものに気兼ねしながら ゴロゴロと家に居て

暇で退屈な時間を過ごすより、身体を動かして野菜を作り

少しでも食事の足しになれたら・・そんな思いで

畑仕事をしているのだろうと勝手に想像し

「おばあさんの畑」と、これも勝手に名前を付けて

おばあさんの働く姿を見るのが楽しみだった。

 

しかし、いつ頃から だったか・・・

その畑で おばあさんを見かけることが なくなった。

 

・・・・・

畑は人の手が入らないと、すぐに荒れ 草が覆い茂る・・。

息子さんだろうか ・・時々 雑草を刈り取る様子は見かけたが

それでも畑は 荒れたままだったのだが・・

 

今日、おばあさんの畑のそばの堤道を通ったら・・

畑はきれいに耕され、その一部には「トウモロコシ」の若苗が

5月の風に揺れていた。

 

おばあさんの分まで、大きく育ってほしい・・。