文庫本「新蔵 唐行き」

 双葉社から単行本が出版されたのが2019年10月。

文庫化されて出版されたのが2年後の2021年10月。

思っていたよりも早く文庫化された。

しかも 文庫本が出版された2ヶ月後の今年12月には

中古本を買う際に六兵衛が決めている値段にまで下がって

きたので、勢い込んで購入した。

六兵衛の好きな志水辰夫さんの小説『新蔵 唐行き』の

中古本 購入事情である。

新蔵唐行き

 

 一昨年の2020年1月5日の当六兵衛ブログの日記

「年の初めに読んだ文庫本」にも書いているが

年の初めに読んだ文庫本

志水辰夫さんの時代小説「疾れ、新蔵」の続編となる

『新蔵 唐行き』の文庫化を心待ちにしていたのだ。

シミたつさん

 

 越後 岩船藩の森番の新蔵は、権力争いのため身に危険が

迫った幼い志保姫を、江戸中屋敷から密かに連れ出し

越後に住む姫の母親の許へ送り届ける役目を言付かり・・

第1作の「疾れ、新蔵」では、新蔵と幼い姫との逃避行の

時代サスペンスだったが・・

今回の新蔵の活躍は、海難事故で行方不明になった廻船問屋の

若旦那を探しに、アヘン戦争 真っ只中の中国・唐の国へ

海を渡って行くという話・・らしい。


作者の志水辰夫さんは六兵衛よりも10歳も年長で

だから80歳代の半ばを過ぎておられる事になる。

個人差があるとはいえ、六兵衛の10歳も年長の年齢で

新しい作品を書かれるのは、きびしい作業なのだろうと

思えるのだ。

『他人のことは ほっとけ! 』と、志水さんには叱られる

とは思うが、愛読者の一人として 志水さんの次回作の噂でも

聞こえて来ない限り、『新蔵 唐行き』が手に入った 今

読みたくても あっさりと、読むわけには いかんのや・・。

 

 そういえば、「​​嶽神伝シリーズ」や「北町奉行所シリーズ」

の長谷川卓さんも一昨年の11月に亡くなられた。

長谷川さんの最後の作品となった『新・戻り舟同心 鳶』の

中古本も六兵衛の手元に あるにはあるのだが・・

鳶

志水さんの『新蔵 唐行き』と 同じように

・・すぐに読むのが、何とも もったいなくて

まだ 読めないまま、未読の本棚にならんでいる・・。

 

  志水さんの呼吸に触れてみたくなれば

志水さんのブログエッセイ『志水辰夫の きのうの話』に

会いに行けばいい・・。

 

小野寺史宜さんの文庫本『ひと』

六兵衛の日々の楽しみのひとつに、時代劇やサスペンスと

いった肩の凝らない大衆娯楽小説を中古の文庫本で購入し

毎日 読んでいるのだが、先日 何を思ったか

いつもなら ほとんど買わないような小説を購入した。

小野寺史宜さん(祥伝社文庫)の『ひと』という青春小説だ。

2019年 本屋大賞 第2位を受賞したという。

文庫本「ひと」

 

柏木聖輔は二十歳の秋、一人ぼっちになった。

数年前に父親を亡くし、その後 女手ひとつで働いて

聖輔を東京の大学に進ませてくれた その母も 急死した。

残された全財産は多くはなく、奨学金を受けても返せる自信も

なく、だから 大学は中退した。

直ぐにでも働かなければ ならない・・。

 

父親が若い頃、東京の「砂町銀座商店街」で働いていたと

聞いた事があり、もし 若い頃の父親のことを知る人がいれば

少しでも知りたいと「砂町銀座商店街」へ行く。

商店街を歩くうち腹が減ったので、惣菜屋でコロッケを買おう

とした事がきっかけで、その惣菜屋で働くことになった。

 

物語としては、大きな事件が起きるわけでもなく 淡々と進む

のだが、天涯孤独になった青年が多くの人と出会い ふれあって

いくうちに、人の優しさ あたたかさに救われ

なにより 一人で頑張ることも大切だが、頼って良い人には

頼ることも必要だということを学んでいく・・。