庭の「白い恋人」

”花より団子”の言葉どうり、我が家の庭では ただ観賞するだけ

の花や木を植えるよりも、食べられる野菜の畑を作り

出来るだけ 実の成る木を植えたきた。

その一つ「すだち」の木は、玄関 階段横に植えている。 

その「すだち」の木に、待ちに待った白い花の蕾が開き始めた。

 

つれあいが20年ほど前、どこかで苗木を買ってきて 植えた

「すだち」の木が、10年ほど前頃から実が成りだし

秋になると収穫して、大切に味わってきたのだが

4、5年前あたりから、その「すだち」の幹や枝や葉っぱが

黒い墨で塗ったみたいに 薄黒くなってきた。

 

たぶん「すす病」とか 何かの病気だろうと思い

素人考えながら 思い切って枝を切り落とし

まるで丸裸の「すだち」の木に剪定した。

 

いささか 切り過ぎたのだろう・・それから今年までの数年

実の成るどころか、春になっても わずかに葉が繁る程度で

もうこのまま 実は成らないかもしれない・・などと

内心 気に揉んでいたのだった。

 

スーパーなどで「すだち」を購入すれば 案外に高価だ。

先日 近所のスーパーで2個入りパックで98円だったらしく

つれあいが「じゃこ」と一緒に買ってきてくれた。

もちろん「すだち」の方が「じゃこ」より高価である。

 

ネット通販では もっと高価で、8個入って送料別の980円で

売っていた。

 

高価だ・・「緑のダイヤ」と言っても おかしくはない。

 

そんな高価な「すだち」、今年になって やっと白い花の蕾が開き

始めたのだ。

 

本来「すだち」よりも主役のはずの「じゃこ」の事だが

六兵衛の食事での一番の好物は、何と云っても『じゃこ』だ。

見た目は 確かに貧相だが、六兵衛にとっては肉でも刺身でもなく

ましてや粉もんなどでもない。

醤油を軽く垂らした新鮮な「じゃこ」に、「すだち」を絞る。

爽やかな香りと ほのかな酸味とが相まって、白いご飯に

パ、パーフェクト!

サンマなどの焼き魚、魚介類の刺身や松茸など

様々な料理に果汁をかけて食べる「すだち」なのだが

やっぱり六兵衛は「すだち」を最高に生かせられるのは

「じゃこ」、「じゃこ」なのである。

 

六兵衛などは昔から、この小魚の干した物を「じゃこ」と言った。

煮干し用の雑魚(じゃこ)でもないし、シラスを乾燥させた

半生の「ちりめんじゃこ」とも異なる。

「じゃこ」を「雑魚」と書く場合もあるようだが、決して

商品価値が低く、軽く扱う時などに使う雑魚(ざこ)などの

事ではない。

 

ウィキペディア(Wikipedia)によると、「すだち(酢橘)」は

香酸柑橘類に属し、花期は5〜6月頃に純白の花を咲かせ

秋頃に果実が実る・・とある。

原産は徳島県。

そして徳島県の県花が「すだち」の花だという。

 

1993年には「スダチ」をモチーフにした徳島県の

イメージキャラクター『すだちくん』が生まれ

活躍しているという。

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