ハルキ文庫から出版されている『鎌倉河岸捕物控』シリーズの
第14巻「隠居 宗五郎」は、「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズや
「密命」シリーズなどの書き下ろし時代小説で人気のある
佐伯泰英さんの時代小説である。

しかし ここでは、この物語の感想を書こうというのではない。
この物語の文中に、六兵衛には懐かしい町名が出てきたのだ。
また また また また 、小説を読んでいて 遠い遠い昔の
六兵衛の思い出の町名や橋の名前などが出てくれば
どうせ “独りよがり” の当ブログゆえ、やはり どうにも
書かずにはいられない六兵衛なのである。
この文庫本の93ページあたりから始まる、船頭・彦四郎が漕ぐ
猪牙舟が、金座裏の親分・宗五郎ら3人の年寄りを乗せて
事件の鍵を握っていそうな娘が住む家を探しにいく場面である。
『 船頭・彦四郎が漕ぐ猪牙舟は「鎌倉河岸」を出て
大川(隅田川)の河口あたりで、宗五郎ら3人の年寄りの客が
釣り糸をたらしはじめたが、年寄り3人の話の なりゆきで
事件に関係が ありそうな娘の住む町まで、彦四郎が漕ぐ舟で
そのまま行く事になった。
大川に架かる「永代橋」「新大橋」を過ぎ、「両国橋」を潜り
「神田川」へと入る。
「柳原土手」「昌平坂学問所」と「聖堂」の甍を わずかに望み
ながら、里の人が「どんどん」と呼ぶ「船河原橋」を右に
抜けて、「龍慶橋」「中橋」を潜り過ぎて行くと
舟は 長さ二間一尺ほどの「石切橋」に辿り着く。
探す娘の家は「牛込改代町」と「牛込水道町」の辻に
あった。』・・とある。

「船河原橋」や「龍慶橋(現在は隆慶橋)」はJR飯田橋駅の
北側にあり、特に「龍慶橋」は六兵衛が20歳くらいの頃に
2年間 毎日のように 歩いて渡った神田川に架かる小さな橋で
今では その隣に、道幅の広い「新隆慶橋」が出来ている。
そして小説の中での 船頭・彦四郎が漕ぐ舟の目的地の
「牛込改代町」と「牛込水道町」辺りは、その昔 六兵衛が
神楽坂坂上の横寺町のアパートに引っ越す前の1年半ほどの間
下宿生活をしていた「文京区関口1丁目」あたりなのである。
そんなこんな 六兵衛の “独りよがり” は、今年の4月30日の
当ブログの日記「一人で懐かしんでる・・」にも書いている。
この『無茶の勘兵衛日月録 第20巻・落暉の兆し』
(作:浅黄 斑 さん・二見時代小説文庫)の文中にも
ほとんど同じ場所の 懐かしい町名などが出てきたので
ブログに書いている。
その小説の主人公・勘兵衛は、神田川を横に見ながらの徒歩での
行程だったが、今回は船頭・彦四郎が漕ぐ舟に
宗五郎ら3人の年寄りを乗せての舟行である。
文庫本を読んでいて、懐かしい町名などが出てきたとなれば
何度でも 何度でも、こうして 書かずには いられない
六兵衛なのである・・。