あんたの指定席?

六兵衛が毎朝、2階のベランダへの出入り扉の窓越しから、農業用ため池や その向こうに見える町並み、そして 通勤や通学の人々の様子を眺めながら、残り少なくなって頼りなくなった歯を磨くのだが、農業用ため池の水も今朝は氷が張ることもなく、穏やかに水鳥たちが餌をついばんでいる。
そんな農業用ため池の右側に、小さな雑木林の小山が残っている。
その雑木林から伸びた小さな枝に、1羽の鳥が留まっていた。

スマホで写真を撮ったのだが、拡大してもボヤケてしまっていて、鳥の正確な名前は調べようもないが、鳥の大きさから考えるとヒヨドリあたりではないかと思う。

これまでにも、歯を磨きながら、同じ枝先に同じ様な鳥が留まっているのを、何度も見ている。
この枝先は この鳥の指定席かもしれない・・などと想像しながら、六兵衛は頼りない歯を磨く。
それは ともかく、この雑木林には いろいろな鳥たちが遊びに来るようで、ここを 塒にしている鳥も いるのかもしれない・・。

小さな裏の畑はもちろんのこと、農業用ため池や雑木林も、六兵衛の日々の暮らしに、ゆとりを与えてくれる ありがたい存在である。