浅黄 斑さんの『無茶の勘兵衛日月録』シリーズや
長谷川 卓さんの『北町奉行所捕物控』シリーズに続き
今回 再読を始めたのは『深川鞘番所』シリーズである。
作者は吉田 雄亮さん、祥伝社の文庫書き下ろし時代小説で
2008年から2012年にかけて全10巻が出版され
2017年12月には、続編となる『新・深川鞘番所』も
出版されている。
北町奉行所・与力の大滝錬蔵は、江戸の町民の暮らしを守る事
を己の仕事と心に決め、その為なら上司に逆らう事も厭わず
北町奉行との繋がりを利用して米を買い占め、町民を苦しめて
いる大商人を有無をいわさずに捕縛した。
結果 大滝は奉行の不興を買い、深川の大番屋支配への左遷を
命じられる。
深川は無法の町と化していて、役人とはいえ まともな仕事を
しようとすれば命を掛けてやらねばならない町だった。
その上、深川大番屋の配下の同心達は まったくやる気がない。
そんな部下達にも無理は強制せず、錬蔵自身のやるべき事を
コツコツと務めようとする。
そんな上司・錬蔵の姿に、やる気のなかった配下の同心達も
少しずつ変わっていく。
六兵衛が以前 作っていた「大衆娯楽小説は文庫本で」というブログの中の
2011年の秋の頃に「さし絵」として掲載していた78作目のカット絵。
作者・吉田雄亮さんの別の小説、例えば「裏火盗罪科帖 」
シリーズや、「留守居役日々暦 」シリーズ等の他の文庫本
も読んでみたが、物語は単調で 六兵衛の好みには合わず
吉田雄亮さんの数ある作品の中で、残念ながら
当『深川鞘番所』のみが、六兵衛が再読したくなる文庫本
なのである。