フリミ フラズミ

「降りみ 降らずみ」・・フリミ フラズミと読むらしい。

 

中古本通販サイトで購入した杉本章子さんの時代小説

『起き姫・口入れ屋のおんな』(文春文庫)を読み始めたら

いきなり 最初の文章が・・

『おこうは心を決めた。降りみ降らずみの五月雨の朝だ。』

あった。

 

降りみ 降らずみ ?・・・

この「降りみ 降らずみ」という言葉、六兵衛には

初めて聞く言葉である。

 

サイト内の「学研全訳古語辞典」で調べてみた。

【陰暦の十月、降ったりやんだりして定まることのない時雨

(しぐれ)冬の始まりであった。

「み」は接尾語で、「・・み ・・み」の形で現象や動作が交互

に反復して継続していることを表す。】・・とある。

 

この解説、分かるようで分からないから、別のサイトで

調べてみた。

【 降ったり降らなかったりして、どんよりとした空模様で

気分まで鬱陶しくなるという意味の連語である】とある。

なるほど、この説明なら何となく分かる。

 

雨が降ったり止んだりの鬱陶しい日の朝に、おこうという人が

何かを決めたらしい。

物語のその後のことは、まだ読んでいないから、何を決めたのかも

分からないままなのだが・・。

 

『東京新大橋雨中図』木版浮世絵師:小林清親

東京新大橋雨中図

 

作者の杉本章子さんという方

最後の木版浮世絵師といわれた光線画家・小林清親の

波乱に充ちた半生を鮮やかに描いた小説『東京新大橋雨中図』

で直木賞を受賞し、他にも『信太郎人情始末』シリーズなどの

時代小説を執筆されているが、2015年に62歳の若さで

残念ながら癌のため亡くなられている。