散歩のとき、iPhoneに保存している昔の流行歌を繰り返し
イヤホンで聴きながら歩くのだが、保存している そんな
流行歌の中の1曲に『誰(たれ)か故郷を想わざる』という
霧島昇さんが戦時中に歌っていたという流行歌がある。
『誰か故郷を想わざる』
西條八十:作詞 古賀政男:作曲 霧島昇:歌
1940年(昭和15年)

1)
花摘む野辺に 日は落ちて
みんなで肩を 組みながら
唄をうたった 帰りみち
幼馴染みの あの友この友
あゝ誰か故郷を想わざる
2)
ひとりの姉が 嫁ぐ夜に
小川の岸で さみしさに
泣いた涙の なつかしさ
幼馴染みの あの山あの川
あゝ誰か故郷を想わざる
3)
都に雨の 降る夜は
涙に胸も しめりがち
遠く呼ぶのは 誰の声
幼馴染みの あの夢この夢
あゝ誰か故郷を想わざる
軽薄短小で 何事にも大雑把な六兵衛だから
いつもは適当に聞き流してきたiPhoneから聴こえてくる
流行歌だが、ところが今日は 何故だかこの歌を聴きながら
「・・想わざる」の言葉に疑問を持った。
歌詞を聴くと、戦地に赴いて厳しい日々を送る兵隊さんが
子供の頃の故郷を 懐かしく思い出す歌のように思うのだが
「・・想わざる」との文言だけを聴くと
「故郷など懐かしくは思わない」と、そんな否定的な
意味合いに取れるのだ。
全体的な歌詞の意味と「・・想わざる」とが真逆のように
思えるので、ちょっとネットで調べてみた。

六兵衛が以前 作っていた「大衆娯楽小説は文庫本で」というブログの中の
2012年の春の頃に「さし絵」として掲載していた102作目のカット絵。
「・・想わざる」の ”ざる”の言い回しを「反語」といい
『自分の故郷を懐かしく思わない人はいないだろう・・』と
言いたい事と反対の内容を疑問の形で述べる表現だという。
70歳を過ぎて、「反語」という言葉と その意味を
初めて知った六兵衛だが、いささか ややこしそうで
何となく、分かったような、でも分かっていないような
そんな感じで、多分 明日になったら 忘れていると思う。