6月10日がくれば、祥伝社文庫から発売されている
第1シリーズ『風の市兵衛』と第2シリーズ『風の市兵衛 弐』
とを合わせて 、全31巻の「風の市兵衛」が出版されている。
・・そう 今日もまた、六兵衛の独りよがりの
市兵衛さん恋しの想いが続くのだ・・覚悟せい!
第1、第2シリーズの これまで全ての文庫本のカバー表紙の
イラストを描かれているのは、卯月みゆきさんという
木版画家でイラストレーターの方らしい。
これは あくまでも、あくまでも 好みの問題なのだが
卯月さんが描かれてこられた市兵衛さんのカバー表紙絵に
六兵衛には いささかの不満がある・・。
これまでの31冊の文庫本のカバー表紙絵の多くが
主人公の市兵衛さんが 後ろを向いているか、笠を目深に
かぶっているか・・なのだが、それでも何冊かのカバー表紙絵
には、市兵衛さんの顔立ちも描かれている。
卯月さんが描かれた全31冊のカバー表紙絵の中から
数種類の市兵衛さんの顔を取り出してみた。
第1巻の市兵衛さんの顔は、やや後ろ向きで分かりづらいが
第6巻、第8巻、第12巻などの市兵衛さんの表情を見ると
どこか貧相で 頼りなく ぶさいくで、六兵衛が感じている
市兵衛さんの印象とは、大きくかけ離れている。
第11巻の市兵衛さんのイラストと、第2シリーズの
「風の市兵衛 弐」となってからの市兵衛さんの顔は
逞しさは増しているのだが、「少し下がり眉で優しげと
いうか、なんとなく頼りなげというか・・」との
初めての人に そんな印象を与える市兵衛さんからすれば
どうみても、鼻も顎も大きく男らしさを感じるイラストと
なっている。
せめて この中で、六兵衛の想像する市兵衛さんらしい印象の
顔を一つを選ぶとすれば、第13巻の「遠雷」での
表紙絵の市兵衛さんだろうか。
線も どこか弱く、だから あまりハッキリとは描かれては
いないのだが、そして この第13巻の「遠雷」のなかで
もしかしたら、市兵衛さんの実の子供かもしれないと
読者に想像させる娘と、馬に乗って遠出をする場面を描いた
この表紙絵の市兵衛さんが、六兵衛の市兵衛さんの印象に
最も近いように思えるのだが・・。


