葉室麟さんの文庫本『霖雨』(PHP文芸文庫)を読み初めている。
主人公は江戸時代後半の儒学者・広瀬淡窓(たんそう)という
実在した人物。
幕府天領の豊後日田(現・大分県日田市)で
私塾・咸宜園(かんぎえん)を主催する教育者で漢詩人でも
あった。
徳川時代も終焉を迎えつつある そんな大きな時代のうねりの中
権力者の横暴や役人の執拗な嫌がらせなどに耐えながらも
清冽な生き方を貫こうとする淡窓と、その兄を敬い慕う
弟・久兵衛の物語のようだ・・。
この小説『霖雨』を30ページほど読み進めたあたりに
「まことに・・」と納得してしまう文章があったので
記しておきたい。
淡窓が主催する咸宜園への、天領・豊後日田の代官や役人達が
繰り返す横暴や嫌がらせに 淡窓は思うのである。
『政治の実践に関わるものは、時に道徳を なおざりにして
功利損得へと流れる・・。
そのことが 政治の堕落へと つながる』・・と。
昔に限らず いつの時代でも、為政者は この事を
肝に銘じておくべきであろうに
残念ながら現在の政治も、東でも西でも
功利損得に流れっぱなしの状況のようである。
