歌謡曲 知ってる?

夏休み、2番目の孫(高2男子)と3番目の孫(中2女子)が

我が家に遊びに来ている。

歌詞がダラダラと続く今風の歌を 孫がスマホで聴いている。

フト思い立って六兵衛は 孫たちに聞いてみた。

『歌謡曲を知ってる?』と・・。

どうやら孫たちの世代は歌謡曲という言葉を知らないらしい。

今風の歌は歌謡曲とはいわないようだ。

そうかもしれない・・「歌手」のことだって「アーティスト」

とか言って 芸術家のように云うんだから・・。

 

そこで六兵衛は 孫たちに頼んでみた。

『ジーちゃんの一番好きな歌を聴いてくれるか?』と・・。

六兵衛の頼みだから断りにくい事もあったろうし

つれあいの助言もあって、とりあえず聴いてくれるという。

 

iPhoneに保存して、散歩の時にいつも聴く歌謡曲の中から

六兵衛が一番好きな ちあきなおみさんが歌う「男の友情」を

流した。

 

1番から3番まで たっぷりと、ちあきさんの気持ちのこもった

男歌に、だんだんと感情が高ぶって涙目になるのは

六兵衛ジーさんの方で、歌が終わっても感情は高ぶったまま

抑えられず、5分間だけ時間をくれと断って

この歌が作られた状況を孫たちに話し始めた。

 

作詞家志望の高野公男さんと、作曲家志望の船村徹さんの

若い二人が 戦後間もない頃に 東京の音楽学校で出会い

意気投合し夢を語り合い、二人で作った『別れの一本杉』が

大ヒットしたが、その後 高野さんは結核病になり入院し

田舎での闘病生活を送ることになる。

 

入院中の高野さんは病と闘いながらも、早く病気を治して

東京へ戻り、船村さんと また一緒にいい歌を創りたいと

思いながらも、しかし病気は良くならない・・。

 

そんな思いを詩に書いたメモ帖を、高野さんの死後

船村さんが枕の下から見つけ、曲を付けて出来た歌が

『男の友情』なのだと、六兵衛は鼻水をすすり涙ながらに

説明するのだが、ちょっと酒を飲み過ぎたらしいジーさんの

そんな仕草が可笑しいのか、孫たちは笑うだけで

どうにも時代の違いもあってか

この歌の良さは、伝わらなかったようである。

それでも 一緒に この歌を聴いていたつれあいが

『よく聴いたら ええ歌やねぇ・・』と言ってくれたから

六兵衛には それで充分なのだ。

 

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