鳥曇り

杉本章子さんの文庫本『信太郎人情始末帖・第3巻 狐釣り』

(文春文庫)を読んでいる。

文庫本 全7巻からなる連作短編小説の3巻目で、捕物帖の要素

を取り入れた、江戸の町に暮らす人たちの人情ばなしである。

いま読み始めた その第3巻には、5話の短編がおさめられて

いるが、2話目の「きさらぎ十日の客」という話の書き出しに

『鳥曇りの ある夕方・・信太郎が家に戻ると

上がり端に見慣れぬ茶盆が出ていた。

空になった湯呑みがひとつ、のっている』・・とある。

書き出しの「鳥曇り」という言葉、六兵衛には初めて聞く言葉

である。

ネットで調べてみた・・。

「鳥曇り」とは 晩春の季語で、寒くなる前に日本に渡ってきた

渡り鳥が、北の繁殖地に帰っていく頃の曇り空のことを云う。

また「鳥風」とも言う・・とある。

俳句の「季語」のようだ・・勉強になる・・。

 

そして もう一つ、中途半端な疑問がわいた。

「鳥曇り」の「曇」と「雲」とは、どこがどう違うのだろう。

やっぱり ネットで調べてみると・・

「雲」は その大きさに関係なく空に浮かんでいる「くも」で

「曇」は日の下に雲と書くから、雲が日を遮っている空全体の

様子・・だという。

なるほど、言われてみれば その通りだ。

「曇る」とは書くが、「雲る」とは書かない。

「雲が出た」とは書くが、「曇が出た」とは書かない。

完全に「曇」と「雲」とは意味も使い方も違うということか。

 

・・・しかし こんな「雲」や「曇」の違いなんて

これまで深く考えたこともなかった。

・・六兵衛の これまで大雑把に生きて来たゆえの証だろう。

 

それにしても、今日は雲り空・・いや 曇り空。

今日の散歩は 芥川堤道を南下し、芥川橋で折り返すコース。

例え 真冬の寒さの中でも、晴れた青空の下を歩くのはいいが

曇り空での散歩は、気分的にも寒さが増すのだ。

 

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