「はたらけど はたらけど 猶(なお) わが生活(くらし)
楽にならざり ぢっと手を見る」・・・
明治時代の歌人・石川啄木さんの歌集「一握の砂」に収められて
いる 有名な短歌だ。
「オレも もう還暦(60歳)かぁ・・」と思ったのは、遠い昔の事で
そして そして、いつの間にか「古希(70歳)」さえも過ぎ
今は「喜寿(77歳)」という年齢になった六兵衛である。
「喜寿」という年齢に、どういう意味があるのか わからないが
何気に じっと、我が手元を見た・・。
人の人生は「手」に現れる・・と聞いたことがある・・。
しかし 六兵衛の「手」など、77年も生きて来た といったって
過ごしてきた人生の重みなど特になく、ただ 潤いがなくなり
シワだけが増えた、そんな粗末な「手」が あるのみ である。
・・そして 気付いた。
六兵衛の「手首」から10cmほど上のあたりに
場違いに長い「毛」が 一本だけ 生えている。
引き抜いて見ると・・
それも 「毛」の先が白くなっていて、こんなところの「毛」さえ
年齢が現れてくる・・らしい。